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団遊日記

「星に願いを(2005/7/8)」

七夕前は、どこの幼稚園も笹飾りが華やかで、
なかなかに楽しかった。

普段は蚊の温床として煙たがられる竹やぶも、
このときばかりは笑顔の人たちを迎え入れ、
先生たちは近くの藪から、

「おっちらせ、こっちらせ」

と竹を運んでくる。
中には張り切りすぎて、どう考えてもでかすぎる場合もあるが、
こういう幼稚園はたいてい園長先生が体育会系なのである。

T幼稚園は、特に七夕を一学期のメインイベントとしているので、
華やかさがスゴイ。これほどまでの七夕飾り!と誰もが驚く代物は、
保護者会の協力なくしては語れない。

以前、そんな力を込めた七夕の行事が始まった途端に雨が降り、
イベントが台無しになったことがあるらしく、みなが悲観にくれた。
園長は、二度のそんな思いをみんなにさせたくないと、
後年、園庭全体に、開閉式のドームをつけた。
今のところ、あんな思い切ったものは、他で見たことがない。

短冊のお願いは、そのときどきの子供の興味を反映するので、
見ていると意外とおもしろい。
卒園アルバムなんかもそうで、以前なら、

「野球選手になりたい」
「巨人に入りたい」

が男の子の一番人気だったのに、いまやすっかり見る影もない。
かわりはもちろん、「Jリーグ」「サッカー選手」がつとめている。

今年の短冊で多かったのは、

「シャイニングルミナスになれますように」

というもの。ほかに

「キュアホワイトになれますように」

というのも多かった。
何のことやらさっぱりわからないので、
帰って、まだ歳が園児に近い橋本に聞くと

「あー、リンスの名前っすよ」

という。

どう考えてもそんなはずはないので、
橋本も、どうやら子供心は忘れてしまったらしい。
調べてみるとこれらは「ふたりはプリキュアMAX HEART」というアニメの
キャラクターらしく、正確には「シャイニールミナス」。
仮面ライダーもウルトラマンも、もはやM78星雲に帰ってしまい、
園児の心には住み着いていないようだ。


ほかに、

「けっこんできますように」

という年少さん(3歳児)の短冊。
晩婚の時世を3歳児にして理解した、秀作。

「電車の運転手になりたい」

という短冊も。
正義感の強い子なのだろう。
さらには、

「電車になりたい」

という短冊。
正義感を超えた、もはやファンタジーな願いのこの子に、
ボクは今年の短冊大賞をあげることに決めた。