それにしても、
やっぱりコンテンツ作りは引き算だなーと思いました。
週末からはじまったイサムノグチの展覧会に行ったときに、
何が記憶に残ったか、と自問すると、
図録を改めて眺めると、シンプルなものばかりなのです。
最近、シンプルに、シンプルに、と
デザインなんかの依頼でも仕切りに言われます。
その流れ、キライじゃないし、けど、難しくもあります。
デザイナーさんなんかでも、ふと意味なく罫線を入れてしまったり、
考えなしに色を入れてしまったりしたときに、
それを「負け」と思えるかどうかというのは、
その人のデザインへの覚悟に関わるものだろうなーと思います。
文章とかコピーに目を向けると、
その究極の形が「俳句」だと言う人もいますが、
ボクはなんだかそれには「なるほど」と思いません。
俳句は芸術じゃないかと思うので、そう思うのかもしれません。
彫刻は芸術でも、人が使うことを想定した遊具などは、
その範疇ではありません。
けれど、その両方に共通する追求性がシンプル・メッセージ
であることは、きっとまずまず確かなことな気がします。
言葉、に話を戻すと、
キャッチコピーや書籍のタイトルなんかは、
そういう意味ですごく気にしています。
自分の仕事に近いから、というのもありますが、
なんだかどうにも気になります。
近々で言うと、ミスタードーナツが
ミスドで
わりと、
いい時間
というキャッチコピーを掲げて広告展開をしています。
これには、少し驚きましたし、興味がわきました。
昔、いろいろ参考にして盗ませてもらったデザイナーは、
ボクよりだいぶ歳上の人でしたが、色々話を聞かせてくれました。
その人の仕事ぶりでとても印象に残っているのは、
「なんでも1色でデザインしてみる」
ということを愚直に続けていたことです。
たとえ4色の色使いが可能な依頼だとしても、まずは1色で。
その人は、雑誌のADもしていたので、
色々なデザイナーの売り込みも受けているようでしたが、
そのときには必ず、1色で作ったデザインを見せてください、
と言っていました。
情報やモノの過剰供給の時代になって、
少しでも本質に早く近づきたい、と思う人間の無意識の欲求が
シンプルイズベスト、というような流れになっているのかも
しれませんが、シンプルを履き違えた「安直」もたくさん
あふれているので、このあたりは見極めも必要です。
フランスに行ったときに、ギマールの建築をたくさん見ました。
ギマールはそれこそ、はちゃめちゃの装飾の世界です。
エントランスから、これでもか!と言うほど装飾に溢れ
家財道具をおかずとも、リビングは早くも立派なリビングです。
けれど、それがなんともステキに、ボクの目にはうつりました。
建築のことをあまりよく知らないので、
なんだかノーポリシーなのかもしれませんが、
本質を追求した表現がこうなったのよん
というギマールなりの表現がすばらしく伝わってきたので、
この家に住むのもいいなーなんて思ったのです。
その一方で、日本に戻ると古い木造一軒家にひかれるし、
コルビュジエの建物がいいよ、と言われれば、
テクテク見に行き、それもいいなーと思ったりします。
それでもすべてに共通することは、
引き算から始まっている、ということ。
そんなこと、わかっちゃいるけど、
わかっちゃいるけれど、
引き算なく始まることが多いようにも見受けられるので、
これを機会に、引き算の大事さを、
改めて自身に刻み込むのでありました。
以上、ココロノ声
のコーナーでした。
山田くん、座布団1枚!
もってって!!