確かにいろんなものを見てきましたけどね、
初めてみましたよ、雨の日に。
その日は、大雨だったんです。
ボクは後輩の上原と一緒に、事務所を最後に出ました。
上下とも、厳重に鍵をかけて、
すると意外と雨がやんでいて、
「おっ、ついてるね」
なんて言いながら、駅に向かうわけです。
その間約5分。
すると、角をまがった先に、
なにやら怪しい物体があるわけです。
地面にはいつくばっていて、
最初はシベリアンハスキーのうんこか?
とか、思ったくらい大きな「何」なんです。
まあ、シベリアンハスキーのうんこは見たことないですけど、
やたらでかいんです。
チーズバーガー二個分くらい。
縦置きで。
で、徐々に近づくと、
目がギョロっとこっちを向きましてね、
それは「かえる」だったんです。
「土蛙」、って言うんですか?
「あま」どころじゃないですよ、
「との様」も越えて、
「神さま」も越えた感じ。
そんなどっしり道に居座っているのは
マンホールかおまえか、くらいのイキオイで、
まったく動く気配なく、まさしく道の中央に
「鎮座」しているわけですよ。
最初に気づいたボクは、少しギョッとしながら
上原に言うわけです。
「ほら、あそこ」
すると期待どおり、上原は
「うぎゃー」
的な顔をします。
いやはや、終電間際まで騒がしい一日でした、ちゃんちゃん。
と本来ならこうですよ。
ところが。
ふたりが蛙を行過ぎた直後、
電柱の影から、ひとりのおばあさんが出てきたわけですね。
なんていうんですかね、
砂かけババアと妖怪ゾーマを足して2で割った感じ。
要するに気味が悪いということですよ。
で、そのおばあさんがですね
「ほら、ぴょん太」
って。
「飼いカエル」ですよ、「飼い蛙」。
さすがに「ゲロ」と返事はしないですけれども、
次の瞬間、ゾーマはその子を手のひらに乗せて、
ひょこひょこ歩いていったわけですよ。
たぶん、宇宙人をみたときはこんな感じなんだろうって、
そんな気分ですよ。
ホント。