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団遊日記

「いたこ(2006/8/16)」

うちの事務所の土舘はですね、
うちの事務所がコンテンツを日がな作っている「ポケらいふ」で、
夏らしく、心霊のコーナーを作っているんですね。

「おばけの存在」を察知できるグッズがありまして、
おばけが出る、というスポットに行っては、
それを取り出し確認する、というわけなのです。
この間も、「八王子行ってきます」
とクマのような愛くるしい顔で、若干おびえながら向かったんですが、
八王子には、お城の跡地に出るらしいんですよ。なにが。
しかもかなり怖いという噂。
でも結局、そこらあたりにいた親切なおじさんに、
「おまあ、そんなとこ行くんなら懐中電灯が必要でよ」
と教えてもらって、あげく懐中電灯まで貸してもらって、
さらに一緒に飲みに行ったらしくって、帰ってきて、

「おい、どうだった?」と聞くと
「ええ。八王子の人は、親切です」
と、本題がなんだったかまったくわからない会話に、なっているわけです。

それで。
やはり夏も終わりに近づき、いよいよおばけにあって、
一度でいいからおばけ探知機をピピピと鳴らしたい!
という欲求が高まって、遂に恐山に行くことになったんです。
そもそも、「いたこ」はおばけなのか、という本質的な問題はあるんですが、
というか、おばけじゃないんですが、
まあ、「なんかいそうだぞ恐山」ということで、東北新幹線に乗って行ったんです。

そして。
いよいよ到着するとさすがにお盆。
いたこ行列、ができておりまして。土舘は、ひとりで並んで、
さて誰を呼び出してもらうかと、思案したのです。
「おじいちゃんもいいかな」
と人並みに思ったんですが、やはりそれは安直すぎるだろうということで、
ものづくりに並々ならぬ意欲のある土舘は
「そうだ!ボクは岡本太郎さんと一度しゃべりたかったんだ!」ということを思い出し、
いざ、いたこさんにお願いをしたのです。

しかし。
残念ながらその日のいたこさん、岡本太郎さんをご存知なかったんですね。
で、ご存知ないと、なかなかその方が降臨されないということで、
土舘は一生懸命太陽の塔などを説明するわけです。
「いや、偉大な芸術家でしてね、そもそも、ほんにゃらこんにゃら…」

するとその日のいたこさんもようやくわかってきたらしく、
「よしよし、よしよしよしよーーーし」
とあの世の世界へ岡本太郎を連れ出しに行ってくれたわけですよ。

どきどきする土舘。
芸術の何を聞こうか、何を聞いてもらおうか、
高鳴る興奮、早まる動悸
と、そのとき! いたこさんはビクンと体を震わせ、口を開いたんです!

「どうも、岡本一郎です」

間違っちゃったんですねえ。

で、ヨロヨロと帰ってきた土舘に
「おい、どうだった?」と聞くと
「ええ。方言は難しいです」

と。万事が、こうです。うちの土舘。