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45歳からの老後 in コスタリカ

『45歳からの老後』

義母がコスタリカにやって来た

明けましておめでとうございます、などと言っても1月下旬とも成ると何だかわざとらしく聞こえますね。何せこの田舎暮らしの割には、あれやこれやとやることが多くて、ついパソコンの前に座ることが疎かになってしまいます。
今年の我が家の目標は、『いい加減になる事(勿論良い意味です)。』です。
これは、ラテンの国で暮らすには絶対に身に付けなければ行けない必須アイテムですね。

家の周りに集う馬たち

例年ならば、12月から強い季節風が吹き始めるのですが、今年はどういう訳か1月中旬頃まで穏やかな日が続いていたのですが、やはりここに来て吹き出しました。カラカラに乾いた強い東風が。
特に私たちの家の隣では元フィンカ(牧場)だった場所の工事が始まり、日々パワーシャベルやブルトーザーなどが土を掘り返し、砂埃を舞い揚げ、さらにそのことが原因で住処を狭められた馬たちが、我が家の周りで群れ集い、大量の糞・尿をまき散らし、悪臭を放ち、そして今度はそれが乾燥し、埃となって舞い上がり、窓を閉めていても洗濯物はもとより、部屋の床、そしてパソコンやCDプレーヤー・テレビなどの精密機械の内部にまで溜まってゆく始末。挙げ句の果ては、餌になる緑が無くなってきていて、我が家の庭に植わる竹やマンゴ・パパイヤ・サボテンの仲間・熱帯植物等々の新芽を食い荒らす悪行三昧。最初は可愛いなどと思っていた自分たちが信じられないくらい、今は馬たちが本当に【憎たらしい〜〜〜っ!!】。
毎日防塵マスクとタオルで重装備して、家の周りの馬糞を掃き清める仕事に追われています。ですが肝心の飼い主たちは何も感じないようで、掃き集めた馬糞の山の周りに再び散らばる馬糞を見ても何もしてくれません。それはそうですよね、今まで馬を飼って近所から苦情が出たことなど無いのですから・・・。
それに最悪なのが、この馬たちに付く大きなダニがこの時期特に大量に繁殖して、それが家の周りを走り回る我が家の愛犬SAVAに大量に寄生して、洗ってもシャンプーしてもきりがなく、可哀想でしかたありません。 何とかしなければ・・・。

ガスパル

先日、恒例のカーニョネグロでのガスパル釣りに行ってきました。
昨年は前日の大雨で水が濁り、待望のガスパルは釣れませんでした。今年もやはり前日に大雨が降って水が濁り、私のルアーには見向きもしませんでしたが、カミさんのベイトには食い付いてきました、モゾモゾと・・・。 以前テレビでガスパルが小魚を補食するシーンを見たことがあるのですが、決して敏捷な動きではなく、どちらかと言えば下手くそと言った方が正しいかもしれません。あれで良く太古の昔から長々と生き残れたと感心してしまいます。
ガイドの話でも、朝まずめ夕まずめのよほど食いが起っている時でもない限り、ルアーには見向きもしないそうです。
それでも意地になってルアーを使っている私の横で、ガイドが投網で捕った小魚を針に付けたカミさんのロッドには幾度となく当たりがきます。
ガスパルは歯が鋭いので細いリーダーでは切られてしまうことも度々ですが、それでもカミさん1〜3.5kgのガスパルを3匹とドロガニ、大きな亀を釣り上げ大喜び・・・。
私ですか?・・・、私は例によって前日に雨が降って水が濁り・・・・・・です。ハイ。
昨年はロッジの近くのBarでガスパルを食しましたが、今回はカミさんが釣ったガスパルをその場で処理して自宅に持ち帰り、蒸し物・香草焼き・フリット・スモーク・あら煮にして食べました。以前の商売が商売なので活け締めから料理まではお手物のですが、これほど持っていた印象が変わってしまった魚も珍しいです。
昨年Barで食べたときは、「シコシコぷりぷりとしていて、ロブスターの様な味がした」と友人が言っていましたが、確かに歯ごたえは良く美味しい魚でしたが、ロブスターとまでは・・・、と思っていたのですが・・・。
活け締めから料理の下処理まで、きちんと処理をしたガスパルの・・・、それはそれは美味しいこと!!。
堅い鎧の様な鱗と身の間には良質なゼラチン質がたっぷり。そして臭みのない淡泊で適度に弾力がある身と、その身に走る繊維が実にバランス良く、蒸し物、香草焼きなどはジューシーでプリプリシコシコとしてロブスターも裸足で逃げ出すほどの美味しさです。
これはナポレオンフィッシュやエビスダイにも匹敵しますね、実に旨い!!。 確かに2日間冷凍してから(淡水魚ですから)解凍してこしらえたスモークも美味しいのですが、その繊維がどうしても歯に当たってしまうので生食に向く魚ではありません。ですが、これも炙ると涙が出るほどに・・・旨いっ!!。
この魚は火を通すことで美味しくなる魚です。ですが火を通しすぎると味わいは半減してしまいます。ガスパルを生かすも殺すも、適切な火の通し具合が命ですね。
残念ながら昨年食べたガスパルのフリットは、ゼラチン質も付いておらず火も通しすぎていたので味わいが半減していたのでしょう。
確かに、この魚はコスタリカの様に禁漁保護を(年1・2・3月だけ解禁)していかないと取り尽くされてしまう、と言うのもうなずけますね、それほど美味しい魚です。
ちなみに昨年はガイドから聞いて(釣れませんでしたから)カーニョネグロで釣れるガスパルはスポッテッドガーと書きましたが、いざ釣って見ると体に斑点などありませんでした。ロングノーズガーやフロリダガーとは少々形態が違いますので、おそらくアリゲーターガーだと思います。と言うことは2m、100kgを超す化け物が居るかもしれない?と言うことになりますか・・・。
きちんと自分で調べないと、人から聞いた話は何処まで信用して好いんだか判りませんね。
コスタリカの人たちは大人しくて親切な人が多いのですが、事を尋ねるとその親切心から《知らない》とはあまり言わないんです。ですから知っている限りの知識で説明をしてくれるのですが、逆に間違って教えて(伝わって)しまうことも多いのです。勿論悪気などは全くありませんし、私たちのスペイン語力がお粗末な事も背景にあります。
もう一つ付け足しておけば、これはコスタリカの人に聞いた話ではなく、コスタリカ在住の日本人に聞いた話として以前書いてしまったのですが、《コスタリカのカシーケというお酒はトウモロコシから出来ている》と書いてしまいましたが、実はサトウキビから出来ていると判明しました。ラム酒のような独特の風味があるわけではなく、どちらかというと甲類の焼酎のようなさらりとしたお酒なのですっかり信用しいていたのですが、昨年のホームパーテイーでルイスの義理の息子が何気なく「カシーケはサトウキビのお酒なんだよ。」と言っているのを聞いてびっくり!!。
結局は、自分でしっかりと調べなくてはいけない・・・、と言うことですよね。

義母の話の続きです。
初めてコスタリカに、それもリベリアの空港に降り立ったときから、我が家へ向かう途中、
いやっ、我が家へ着いても・・・。あまりにも想像していた場所とはかけ離れているので義母はびっくりした様子です。もっと綺麗でお洒落なリゾート観光地を想像していたようで、あまりに何もないこの地で暮らしている私たちが信じられなかったようです。と言うより呆れていたと言う方が正しいかもしれませんが。
コスタリカに来ると決まったときには、「そう頻繁に行ける場所ではないのであちこち行ってみたい。」とのことでしたが、この辺りの乾期の茶色い風景と悪路、それに我が愛車の悲惨な状態(相変わらずガソリンがボタボタと漏れる状態)を目にし、その声も次第に尻つぼみに成ってきてしまいました。最後には「出かけるよりも家にいる方が好いわ。」と言い出す始末。
それでもカミさん、何とか少しはコスタリカらしい所へ連れて行ってあげたいと計画を立てて、義母の体に負担が掛からないような安心な場所で、コスタリカの雰囲気が少しでも伝わる場所をと、最初は近くの温泉に連れて行きました。

カミさんが釣ったカメ

が、やはりいつ爆発するか判らない車でのドライブ。しかも温泉までは未舗装のガタガタ山道を一時間以上も走らねば成らず、更に目的地に着いてもそこから温泉施設まではジープやトラクターでしか行けない険しい山道。
結局、義母は緊張と激しい揺れのため、温泉到着と同時に嘔吐してしまいました、可哀想に・・・。
それでも温泉は何とか気に入ってくれようで、カミさんと溶岩泥パックの塗りあいで楽しんでくれていました。
翌日はウミガメの産卵を見学に行くために、家から4〜50kmの距離にあるプラヤ・グランデと言うウミガメ産卵のための保護区に向かうことにしました。
家の側の海岸でもウミガメが産卵に来る場所はたくさん在るのですが、やはり4WDの車でなくては行くことが出来ず、しかも夜中と言うことで危険が多く、(ピューマやジャガー、密猟者などに出会したらとても私ごときでは対処できません。)義母に何かあったら大変ですので断念しました。プラヤ・グランデは観光客向けの安全な場所(すぐ隣がサーフィンで有名なタマリンドと言う海岸)でガイドも居ることですし、ここなら義母でも大丈夫でしょう。
道さえ良ければ1時間弱で到着する距離なのですが、どういう訳か以前訪れた時よりも更に・・・、と言うより非常に悪路に成っていて、3時間弱も掛かってしまい、またもや義母は・・・、オエ〜ッ。
浜辺のロッジを予約しておいたので、到着するとすぐに横になって貰いました。何だか虐めているみたいですよね、端から見ると・・・・? 。
夜10時にロッジ前の海岸にガイドが迎えに来ると言うことで、一人約20ドル(保護区なのでガイド料+入場料)を払い、目の前が海にも拘わらずフェンスと樹木で囲われていて、鍵が掛かってる監視人・赤色灯付きのゲートを潜らなければ海岸へ出ることの出来ない不思議なロッジの正面の海岸で、10時少し前から待つことに・・・。
月の無い、数キロ続く真っ暗闇の海岸で、ゴウゴウと鳴る潮騒とともに大人3人がぽつねんと、懐中電灯も持たずただ座り込んで居る・・・風景。日本の海岸なら怪しまれますよね、集団自殺?、難民?、密輸?。
目が慣れて、一面のミッドナイトブルーに打ち寄せる波頭の薄いブルーが辛うじて識別出来るようになっても、なかなかガイドは現れません。
小一時間も待ったでしょうか・・・、ようやく、遠くにガイドの持つ懐中電灯の赤色光がブラブラと確認できました。
3人とも立ち上がり、その赤色光とその後ろにある暗い部分に目を凝らします。
次第に近づいてくる小さな赤い光と、段々と大きくなる暗い部分が・・・・。
いやいや〜っ・・・、来るは来るは・・・、ぞろぞろと・・・、大挙して・・・。
大きさのそれほど変わらない赤い光とは対照的に、後ろの暗い部分は段々と膨れあがり、側に来たときは30人分の黒い人影に変化していました。
更に後続の赤い光にも同様の暗い部分が・・・。
赤色灯を持つガイドと大きな暗い部分が私たちの前で立ち止まり、ガイドが私たちの名前を確認すると、私たちも赤い光に先導されるその暗い部分に吸収され、真っ暗な波打ち際へと動き出しました。
黒い集団が・・・、ただ黙々と歩く、歩く・・・。それも・・・凄いスピードで・・・。
一体どうしたことでしょう?、集団の中には小さな子供も数人含まれているのに・・・。
気が付けば私たち3人だけが段々と引き離され・・・、1時間後には、遙か後方に在った後続集団の最後尾よりも更に数百メートルもの遅れを取っていました。
お酒のせい?、いやいやっ夕方缶ビールを2本飲んだだけです・・・私は。他の2人は知りませんが・・・。
しかし、憑きものに憑かれたようにもの凄くスピードで黙々と夜中の海岸を歩く、世界各国から集まった黒い集団は、何処か、奇妙な違和感を感じざるおえないですね。
自分がその集団の中に身を置いていても、ひしひしとその感覚が付いてきました、すぐ後ろから・・・。
1時間半後、ようやく動きを止めた黒い集団に追いつき(後続の)、砂地に這いつくばる弱い赤色灯に群がるグループの中に潜り込みました。
この時期、プラヤ・グランデに産卵に訪れるウミガメは、オサガメという世界最大の大きさに成るウミガメで200kgを超える巨体ですが、非常に数が少なく絶滅危惧種に指定されています。日本でも稀に確認されるそうですが、コスタリカはその産卵場所として世界的に有名だそうです。カメの種類によっては1日に数百から数千頭も産卵に訪れる場所が有るコスタリカですが、さすがにこの日のオサガメは最盛期からも外れていて(今年は1月下旬の今が最盛期)、この広い海岸にたった2頭しか現れませんでした。
その2頭に百人近い人間が群がって、卵管から産み落とされるピンポン球のような卵をのぞき込んでいるのですから、これも変な風景ですよね、考えてみると・・・。
この日の何とか言う(名前が付いていました)200kgオーバーのオサガメのお母さんが産み落とした卵の数が68個。これをちゃんと一から数えているボランテイアの監視員が居るんですね、勿論保護のために。
70〜80cmの深さに掘られた穴に産み落とされた卵を、これでもかっ!!と言うぐらい後ろ足で押さえつけて(割れてしまうのでは?と思うほど)、そこに再び後ろ足で砂を掻いて埋めから海へ戻って行きました。
良くテレビで見るウミガメの産卵は、ウミガメのお母さんが流す涙?が印象的ですが、実際は産卵の妨げに成るのでカメの視覚に入る場所には行かしてくれません。ですので後ろ姿だけ、残念ながら・・・。
釣りをしたり、ダイビングしたりしていると良くウミガメには遭遇するので(キューバでは60kgのウミガメを釣り上げたりも・・・)あまり関心は無かったのですが、この200kgのオサガメには感心させられました。デカイっ!!。
再び1時間半掛けてロッジに戻ると、ゲートに有る監視小屋で名前、国籍、メールアドレス等を書かされ終了。すでに時刻は深夜3時近く。
義母が心配だったのですが、どうやら往復3時間の深夜の砂浜歩行も、ガソリンを垂れ流しながら悪路を走る車でのドライブよりは良かったようで、少々疲れてはいたようですが、カミさんと楽しそうにウミガメの話をしながら寝入ってくれたので、まずは一安心。
翌日、帰る途中で立ち寄ったBARでウミガメの卵を食べました。
とても新鮮だからと言われて・・・、2個も・・・、生で・・・。
何をやっているんですかね・・・、私たち。

プラヤ・グランデの海岸にはこんな貝殻がいっぱい

1週間の滞在でしたが、義母にとってはコスタリカはカルチャーショックが大きかったようです。それでも少しは気に入ってくれたようで、義母の帰国のため、再びヒューストンまでカミさんが見送りに同行した際、航空会社の職員から60歳以上の自国語しか喋れない方の一人旅に対する出入国手続き、配車、ホテルのチェックインなどを無料で代行してくれるサービスが有ると聞き、次回からは一人でコスタリカまで来られると大張り切り。
本当に、是非また来て頂きたいものです。懲りていなければの話ですが・・・。


カミさんが鼻の頭を蜂に刺され、真っ赤っかに・・・。
CDプレーヤーが蟻の巣に・・・。
アメリカから取り寄せているガソリンタンクがまだ来ません・・・。
家まで引いている電気・電話・ケーブルテレビの配線が、あっという間に生い茂った樹木のせいでちぎれそう・・・。
昨夜、スカンクが現れ窓辺で屁を放いて行きました・・・。

相変わらず慌ただしい我が家です。