
バスの中・・・
え―――っ、世の中にはどうしようもなく鈍い人間が居るもので、それはたとえば【災い】と言う物は『対岸の火事』、いやっ、もっと遠くに存在する物であって、まさか自分の身の上に降り掛かってくる物ではないと信じて疑わない何ともおめでたい輩で、それが自身に起こって初めて認識し、慌ておたつき狼狽える仕様の無い大馬鹿者、事が起こって初めて自分の愚かさを認識する・・・・、かく言うこの私こそがその張本人でして・・・。

バスターミナル
一昨日のことです・・・。
我が愛車『ボロラン号』が再び崩壊を始め、ブレーキオイルがボタボタと漏れ出る状態のまま何とかリベリアにある修理工場へと運んで行きました。しかし1日では修理できないと言うことでその日はバスでプラヤ・デル・ココまで戻り、翌日再びバスでリベリアまで向かうことに・・・。
始発点であるココからは丁度全員が座れるほどの乗客が乗り込み、カミさんと私は前から4番目の右側に座席に腰を下ろし、私はウトウト、カミさんは「数独」を始めました。
途中から少々混み合ってきましたが、座っている私たちには影響はありません。
《おやっ・・・?。》リベリアの少し手前で、同じココから乗車した隣の男性が立ち上がりましたが、別段降りる様子は有りません、何のために立ち上がったんだか・・・?。
やっとリベリア入り口に到着、立ち上がり下車しようとすると先程の男性がカミさんに向かってなにやら文句を言って通路を塞いでいます。
「前から降りろ・・・イヤっ、後ろから・・・。」などと訳が判りません。
それでもカミさんは何とか横を通り抜け後ろのドアへと向かいます。
私も続いて降りようとすると、今度は私に対しても体を押しつけるようにして文句を言ってきました。それがあまりに執拗に付きまとってくるもので体と腕を強引に振り払い、私は前のドアから下車しました。
やがてバスは走り去り、80mほど前方に見える日産の修理工場へと二人歩いて向かいます。
ブースに入り、すでに顔馴染み?の会計係に挨拶をして、修理代を払おうとウエストバックに手を伸ばすと・・・・・・、
「あれっ・・・???、はっ!!、なっ無いっ・・・!!、財布がっ・・・!!。やっ、やられた――――――――――――っ!!。」
無惨に開かれたウエストバックのチャックが、アングリと舌を出すように大きくダラリと垂れ下がっているではありませんか!!。
会計係は何が起こったのか判らず、ポカ〜ンと口を開いたまま私を見上げ凝視したまま固まっています。
昨日まで40度の熱でうなされていたカミさんは、呆れて頭を抱え座り込む始末。
私と言えば・・・、ただただ英語とスペイン語と日本語が入り交じった訳の判らない言葉で会計係に必死に説明している・・・・。
何とも惨めな姿じゃありませんか。
今までバスの中のスリのことは良く耳にしていました。が、まさか私がやられるなんて・・・。
アフリカで押し合い圧し合いする数千人の雑踏の中で、あちこちから伸びてくる手を払いのけ、前後に抱えたリュックと大きなロッドケースを守り抜いた事もあるのに・・・。
そう、まさに「まさか私が・・・。」の状態だった訳です。
しかし、いつまでもあたふたしている訳にはいきません。
とにかくカードだけは早く止めなければ!!。
現金は40ドルほどしか入っていませんでしたが、免許証と家の鍵、それにクレジットカードが2枚入れてあったので一刻の猶予もありません。
「電話代は払うから。」と会計係に頼んで工場の電話を使わせてもらい、まずはAカード社に連絡することにします。
転々と電話を廻され、やっと辿り着いたのがアメリカにあるAカード社のサービスセンターの窓口。
そこで1時間半も擦った揉んだして、ようやく?カードを止めることが出来ました。
しかし、たった1枚分で1時間半の掛かるなら、自宅に戻って日本のカード会社の電話した方が早いのでは?と思い立ち、すぐに車で帰宅(ブレーキが直ってな〜い!!)。
もう一枚のカードB社(日本)に国際電話で連絡すると、ものの5分で手続きは終わり。
念のため、先程のカードも確認してもらうためA社(日本)連絡をすると、「まだ止まっていません。」とのこと。慌てて止めてもらいましたが両方の手続き合わせて約10分。
先程の1時間半は一体何だったのでしょうか・・・?。
幸い両方ともまだ使われていなかったので助かりましたが・・・、確かに油断していました、面目ない。

可哀想な【アリクイ】
かと思えば、先日ガラスを立て続けに2枚割ってしまい、近くのガラス屋に2度(サイズが合わずにもう一度、計3回)買いに行ったのですが、どういう訳か料金を取らないのです、1回も・・・???。
こちらが「いやいや、払うから、幾ら?。」といくら聞いても「いらない。」の一言。
確かに大きなガラスを切った残りで作ったかもしれませんが、それが商売と言う物。
僅かでもお金を取れば良いものを。
仕方なく後日お菓子を持参し、お礼旁手渡すと喜んでくれましたが・・・。
世の中悪い人ばかりじゃありませんね。
「えっ、まさか!!。もうココに自然なんて残ってませんよ!!。」
ココ周辺の目ぼしい山のすべてには人の手が入り、手つかずの自然など消滅してしまいました。
「チュパカブラ?、もう昔話に成ってしまいましね・・・。」
先日も、近所の道路で車に撥ねられた【アリクイ】の無惨な姿を見ましたが、きっとあの雄のアリクイがココ最後の【アリクイ】であったのかも・・・。