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45歳からの老後 in コスタリカ

『45歳からの老後』〓非想非非想天的コスタリカ移住生活〓

何気ない風景

パパイヤ

或る日、スーパーマーケットでの出来事です。

「ねえねえ、明日の朝食用のパパイヤとメロンとスイカを買わなくちゃ」
カミさんの声に促され、ショッピングカートを生鮮食品売り場へ向けて方向転換。ぶらぶらと通い慣れたスーパー内を、二人並んで歩いて行きます。
壁際に野菜の陳列棚がずらりと並び、その正面の空所に大きな台があり、バナナ・パイナップルをはじめ各フルーツが山積みにされている場所まで着るとカミさん
「私は野菜を買うから、あなたはフルーツを・・・、良さそうなやつを選んでおいて」
またしても言われるままに陳列台に近づき、まずはパパイヤに手を伸ばします。
「それから・・・え〜っと、メロンメロン。え〜っと、あ―――無いっ・・・か?」
コリアンダーの束とパプリカを手に戻ってきたカミさんに向かい
「ねえ、メロンが無いよ」
「えっ?だって値段表が出てるじゃない」
「でも、・・・ほら」
「ほんとだ〜っ。・・・んっ???ねえ、これメロンじゃない?」
何を思ったかカミさんパパイヤを持ち上げてメロンだとっています。
「メロンっ・・・て、それパパイヤじゃん」
呆れ顔の私に、キッと片眉を吊り上げたカミさんが
「だって値段表にはメロンて書いて有るじゃない!!それに・・・ほらっ、メロンのシールが貼ってあるし!!」
よく見ると、確かにどのパパイヤ?にもメロンを示すグリーンの丸いシールが貼ってあります。
「あ〜っ!!、私何日か前に新聞で見た!!パパイヤそっくりの何とかって言うメロンが有るんだって。これがそうじゃない・・・きっと」
「ふ〜〜〜〜ん」
確かにもう一カ所、別の場所にパパイヤが積まれているし、よくよく見ればちょっと違うようなので興味津々、二つ購入してみることに・・・。
そして隣の小玉スイカをカートに放り込むと一番空いているレジに向かいます。

パパイヤにそっくりのメロンに瓜二つのスイカ

「あ〜あっ、この子しょっちゅう間違えるのよね!!打ち間違え。まあ、安く間違える方が多いけど・・・」
レジの女性には視線を向けず、私に向かってカミさんが話しかけてきます。
こういう時には、誰も日本語が判らないことがとっても便利なんです。
そして例のパパイヤそっくりのメロンの登場!!
レジの女性は何の疑いも持たずパパイヤ3個と打ち込んでいます。
「ねえ、その二つはメロンよ」
「??????」
「ここにシールが貼ってあるでしょ、ほら・・・」
「あ〜っ、ホントだ〜っ、ご免なさい、いま係を呼びますから」
このメロンはパパイヤより1kgあたり200コロンも安いのでしっかり訂正してもらいますです、・・・はい。
このスーパーでは、間違いの訂正には上司の訂正サインが必要で、事有るごとに呼び出しのベルを鳴らし係に知らせます。
遣ってきたのはヒップ周りが自分の身長より30cmは長そうなドッシリした女性。
「またアンタなの!!、よく間違えるわね、ちょっといい加減にしなさいよ!!」
このレジの女性、お小言を貰って小さくなっている姿をよく見かけますが、この日は違いました。
「私が悪いんじゃありません!!じゃ主任、これは何ですか?」
「何ですかって・・・パパイヤじゃない」
その瞬間、レジの女性の鼻っ柱がピンと立ったのを私は見過ごしません。
「それがねっ!!。。。これはパパイヤじゃなくて・・・メロンなんです!!。。。ちゃんとシールが貼ってあるでしょ!!」
「???あらやだ・・・ほんとだ」
なぜか嬉しそうに、勝ち誇った顔立ちで主任にサインをさせ、私たちにウインクを送ってよこします。
そして、悠々と優雅な身熟しで再び・・・・パパイヤ2個と打ち込みました。
《だからメロンだって!!》
後ろに並ぶ長蛇の列を見ると、もう訂正させるのは無理な雰囲気。
「もういいよね・・・ねっ」
カミさんも、もう降参したようです。

庭に咲く花

翌朝、キッチンから響いてくるカミさんの大きな馬鹿笑いで目を覚ましました。
「どうしたの?」
「ねっ、これ見て!!」
まな板の上に、昨日のパパイヤ似のメロンが真っ二つに切り分けられて乗っています。
しかも・・・中身は・・・スイカ。

日常の・・・、何気ない風景です。