ブランディング

「自分ごと」を積み重ねて、
人も企業も成長する

スタンス1 当事者が自走できる仕組みを、
整えていく。

「ブランディング」に悩む企業は多い。課題解決のために、組織のビジョンや経営課題に踏み込んで、競合との差別化や顧客からの信頼を得るための方法を探す。ただし、一過性では意味がない。日々の営みのなかで、当事者たちが継続的に活動できてこそ、ブランディングは活きる――そんなアソブロックの考え方に迫った。

団:まず「ブランディング」というものの定義が、まちまちだと思うんです。僕が考えたのは、自分たちの提供するサービスが“自分たちの思う値段”で世の中に受け取ってもらえるように、その“価値”を担保すること。たとえば、本当に価値がある商品なのに世に届いていないなら、ブランディングの出番です。でも、お客様が感じている自分たちやものの“価値”は、本当に合っているのか。一緒に取り組んでいくパートナーとして、まずはそこをとらえ直してみるのが、アソブロック的なブランディングのアプローチだと思っています。

そしてブランディングが必要だとなったら、やる側もワクワクできるようなことを提案して、なるべく早めのリターンを狙う。「価値が向上してきてる!」って成果を感じられないと、誰だってなかなか続けていく気になれないですよね。自分たちの実感が伴う“価値”を持って、その継続のために自分たちで動けるのが、ブランドにとって一番いいことだと思うんです。

阿部:僕も持続可能性についてはいつも念頭に置いていますね。だから、アソブロックがつくるのは「モノ」よりも、クライアントが自走できるようになるための「仕組み=フレーム」であることが多い。もちろんゼロからフレームをつくるのは難しいけれど、そのぶん面白いし意義のある仕事だと思っています。

団:仕組みをつくるときは、クライアントご自身が創意工夫をして、自由に育てていけるようなスキマを残すことも忘れません。そうしたら後日「団さんがつくってくれたあの土壌で、こんなことが始まったんですよ」なんて、うれしい報告をいただいたりもするんです。

スタンス2 ゴールを主体的に、
かつ客観的に見る

仕組みをつくるためには、クライアントとのコミュニケーションが欠かせない。ブランディングで目指すゴールは同じでも、心がけていることや提案のスタンスがメンバーそれぞれに違うのは、アソブロックの面白さだ。

団:僕は、その取り組みについて依頼者よりも主体性を持つよう心がけています。たとえば「会社のこれからのことを相談したい」という内容だったら、自分が社長になった気持ちで向き合う。もちろんご要望は伺うけれども、それにばかり沿っていても、想定内のアウトプットにしかなりません。クライアントもその限界を感じてご相談してくださっているんだから、自分の視点でとことん考えたことを率直にご提案するんです。ご要望にお応えするのではなく、自分がわくわくする方向にクライアントを巻き込んでいく。そもそも、自分たちで上手くやれていたら人には頼まないわけで、つまりクライアントの発想に沿ったら、たぶん上手く行かない――、そのくらいの割り切りが必要な面もあると思います。

等々力:僕はシンプルに、真剣にいいものをつくりたいと思っていらっしゃるクライアントと仕事がしたいです。その想いを伺うためにも、面と向かっていろんな話をする機会を大切にしています。泥臭くても、時間をかけてコミュニケーションすると本音が出てくるし、お互いに理解しあえる。すこしでも共有できるものを増やしておくことで、お互いの凹凸がガチっとハマり、目指すゴールや道筋が自然と見えてくる瞬間があると感じます。

阿部:僕はクライアントに寄り添いながら、でもある種の“観察者”目線を忘れないようにしていますね。まず、クライアントが届けたいものの魅力を客観的に認識することを大事にしています。一方で「いまは○○というSNSでのアプローチが有効ですよ」みたいな、伝え方のチャネルの知識は常に豊富にもっておく必要もあるんだけど、そういうノウハウやテクニックを磨く以上に、魅力の本質を正しくとらえることができていれば、最適な伝え方は自ずと見えてくるとことが多いです。

ケース 京都の工務店『KOTOS』と
オウンドメディア『リケラボ』

そのように練られた施策では、アウトプットもさまざま。地方の工務店『KOTOS』と、総合人材サービス会社のオウンドメディア『リケラボ』の例を見てみよう。

団:京都の丹波地方に、注文住宅を建てている「由良工務店」という会社がありました。地元ではトップシェアを誇っていて、周辺住民は「家建てるなら由良さんやろ」と言うほど。でも、社員たちは「“丹波を建てている”のは由良だよね」と言われたい。そのギャップを埋める施策を求めておられました。そこでまずイメージを一新するために、社名を「KOTOS」に変更したんです。付随してロゴも変えたし、家づくりのポイントをまとめていたリーフレットを「丹波地方がこれからどうなっていくべきか」という大きなビジョンを語る内容に作り替えたり、いろいろやりました。

阿部:“丹波を建てる”という想いはあっても、なかなか会社の具体的な行動に落とし込むのが難しくて……でも、せっかくそんなコンセプトを冠するなら、単なる標語では終わらせたくない。関係者がみんなで自分ごと化して取り組めるように、と考えたのが「部活動」でしたね。

団:学生のころ、昼間は勉強をしていたけれど、放課後は自分の好きな部活をしてたじゃないですか。KOTOSに当てはめると、家を建てるのは当たり前にやるべきことなので「勉強」。じゃあ放課後は、地域のためになる“自分の好きなこと”を「部活」としてやってみてはどうでしょう、というご提案です。雑誌をつくりたい人は丹波のコミュニティマガジンを発行する「広報部」、地元の木材を使って家具をつくる人は「家具部」というように、10個くらいの部活が生まれました。そうなると、家具部はつくった家具を発表するために、地元のイベントに出たりします。いままで由良工務店としては出るチャネルがなかったところに、KOTOS家具部として参加できるようになる。周辺住民とのふれあいが自然にふえて「なんで社名を変えたの?」「実はこういうことがやりたくて……」なんて話が広がっていったりするんです。社名やロゴを変えるより、じつはそういう日々の営みのほうが圧倒的に力があるし、伝わります。そういう機会をいくつ作ることができるか。KOTOSのブランディングにおいては、そこが一番の肝だと思っていました。

阿部:もうひとつ紹介したい事例は、パーソルテンプスタッフ社のオウンドメディア『リケラボ』です。このメディアの目的は「私たちはキャリア支援を通じて、雇用のミスマッチを解消している会社です」と、ターゲット層に伝えていくこと。マーケティングのいち施策でも、企業のCSR活動でもない、明確なゴールがありました。なのでコンテンツは、理系職種に興味がある方に向けて、幅広い仕事の選択肢を伝える記事が中心です。いずれクライアントご自身で運営していただくこともできるように、制作のノウハウを体系化して、僕らが抱えすぎないように気をつけています。

また、認知が形成されていることをあらわす中間指標として、PV数などのKPIも大事にしていますね。どれだけいいコンテンツができたと思っても、伝わらなければ意味がないから。それに、数字で見える成果はわかりやすくて、関係者全員のモチベーションアップにもつながります。読者からも「ありそうでなかったメディア」という声が届いたりして、スタートしたばかりですが、手応えを感じているプロジェクトですね。

ビジョン 人が成長していくための
プラットフォーム。

さまざまな企業や組織の課題に向き合い、価値向上に努めるブランディングの仕事。さまざまな案件を通して、アソブロックのメンバーは何を得るのだろうか。

団:アソブロック自体が、人が育つためのプラットフォーム。すべての仕事を通して、“各々の成長機会を提供する存在”でありたいと思っています。なので、最初から「このプロジェクトを受けることで、誰が成長する?」というところにフォーカスして取り組んでいるんです。できればその成長に、パートナーであるクライアント側の担当者も巻き込みたい。仕事が終わったときに「アソブロックと仕事をして、うちのメンバーがたくましくなりました」なんて言われるの、最高じゃないですか。もちろん精神論じゃなくて、具体的にできることが増えるのが理想です。

等々力:そもそも僕がアソブロックに入社を決めた理由も、まさにその部分でしたね。それまでは長く専門職をやってきて、ある程度どんな仕事でもこなせるようになっていました。でも僕は、つねにいろんなことにチャレンジしたい性分。閉塞感を打破するために転職を考えていたとき、「ビジネスよりも人の成長」を本気で掲げている会社があることを知って、驚きました。

阿部:アソブロックは営利企業というより、何らかの“会”のような感じなんです。もちろん最終的にはちゃんと仕事をしてお金を稼ぐんですけど、その理由は「利益が生み出せずにこの組織がなくなったらさびしいから」(笑)。ここで仕事することが自分の成長につながる、と全員が考えていて、それを実践しています。

団:“人材育成企業”なんて言うと、とても利他的に聞こえるかもしれませんが、結局は自分のためなんですよ。「情けは人の為ならず」とはよく言ったもので、人に尽くしたら最後は必ず自分に返ってくる。本気でメンバーの成長を考えて行動していたから、ほら、「組織がなくなったらさびしいから働く」なんて、これ以上ないくらいにいい言葉が返ってきたでしょう?(笑)

ブランディングのプロジェクト紹介

  • KOTOS

    丹波・由良工務店の地域活性プロジェクト。丹波の自然を活かした、うつくしい風景とご近所さんがゆるやかにつながる、やさしい地域をつくっていく。

  • リケラボ 編集部運営

    理系の知識や技術を持って働くみなさんのキャリアを応援する「リケラボ」WEBサイト。研究開発等にたずさわるみなさんの人・仕事・生き方に迫るコンテンツを展開。

  • 大学WEBサイト リニューアル

    日本大学経済学部「ニチケイ」ブランドを生み出すプロジェクト。WEBサイト制作を通して、学生と大学のコミュニケーションを捉え直し、学部ブランドの再構築に取り組みました。

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