
第33回 2月11日(土)
会場:品川イーストワンタワー



2012年から季節に1回の開催となった『家族理解ワークショップ』。

これを逃すと次回は5月…という心理効果もあったのか!? 20名の参加を

いただきました。6名が初参加です。なじみの会場、品川イーストワン

タワーが、いつもにまして熱気に包まれていたように思います。

(参加者の所属一覧は最後にまとめました)


さて、講師が東京で『家族理解ワークショップ』を始めて5年。

当初から変わらずトレーニングしていることは、「家族をシステム的に

見つめ、具体的な援助プランをいくつも考えられる柔軟性を身に付ける

こと」です。


人は、自分ができる範囲内でやるべきことを決めます。そして、出た結果

に納得ができると、そのプロセスを自信に変えていきます。家族について

も同様で、何か問題にぶちあたったとき、解決に至る過程の良し悪しを

決めるのは他人ではありません。国や地域、時代によって変わる家族

問題に対応するには、その根底を分かっていないと、個別事情を抱えな

がらも良好といえる家族の在り方を模索することは難しいといいました。


ワークショップ自体と講師のプチ紹介が済んでから、ファースト・

セッションに移りました。



オープニング・トークは、恒例になりつつある「『木陰の物語』の物語」より、

「団塊の選択」というお話について。講師が月刊誌に長期連載する

『木陰の物語』という漫画エッセーから数話を取り上げ、その物語の

着想を得た出来事や背景・想いが語られます。


「団塊の選択」を通じて語られたのは、「わが身に起きたことの責任は、

結局自分で引き受けるしかない」ということです。これを援助の場面に

持ち込むと、「当事者の身になって考える」なんてことは、なかなかできる

ものではない。代わりに、当事者では思いもつかないようなアイデアや

援助プランを提示することが大事だ、と講師は言いました。


直面する問題を解決に導くには、いくつか選択肢を用意した上で、本当に

やりたいこと、できることを本人が選んでやればよいし、うまくいかな

かったらまた別の方法に挑戦すればいいだけのことです。このとき、

まだ起こっていないことに悲観的な予測を立てることはあまり意味を

成しません。しかし、人はしばしば行動に移る前から、「できなかったら…」

「実を結ばなかったら…」という理由で、変化をためらいます。問題解決に

導こうとする時、このことを知っておくのはとても重要で、現状がダメなら

何か違うことをして変化を生む、という考え方が大切なのだと

講師は言いました。



セカンド・セッションは恒例の「3分間トーク」です。中には私を含め、

このセッションが苦手!という方もいらっしゃいますが、いざ話始めると、

あっという間に3分が終わるので不思議です。


そもそも、「3分間トーク」をするのには、近接領域を知ることで自分の現場

を見つめ直してほしい、という講師の意図があります。さまざまな分野で

細分化・専門化が進み、自分の世界以外のことに関心がない人が多い

時代だからこそ、情報開示を広く行っていくことが必要だと

講師は考えています。


ということで、スタッフ含む22名が「それぞれの現場の今」「私の周囲の

トピックス」というテーマで3分間語りました。話を聞いていて、分野が

違ってもそこで起きていることや今やらなければならないことは多くの

共通点を含んでいる、と感じました。



休憩をはさみサード・セッションはジェノグラム面接です。

今回も面接者・被面接者・オブザーバーの3人一組になり、「あなたに

とって人生の転機というと?」というテーマでワンセット面接時間12分

/フィードバック4分の面接を行いました。


面接の際ポイントになるのは、自分はどの視点から物事を見ているか、

という客観的視点です。来談者には、その問題を長期化させないための

解決策を提示する必要がありますが、面接者が聞くべきことを聞けていな

いと、解決策は的を得ません。そして、こと家族面接において聞くべき

情報とは、その家族が問題に直面した時に、どんな人たちが周りにいて、

だれがどんな風に関係しているか、を聞き出すことです。

ジェノグラムを描く意味は、そこに起きていることを俯瞰で把握できるところ

にあると思います。



ラストのフォース・セッションは、ケースカンファレンスです。

子を亡くしたカップル(詳細は個別事情のため割愛させていただきます)

について、これはいったいどんな家族なのか、をペアで考えました。



今回面白かったのは、取り上げられた家族を提出したのが看護師さん

だったことです。職業的背景も、家族の見立てを制限します。今回の

ケースも、福祉的には「子の死亡」過程に大きな疑問符がつくのですが、

医学的には「死」が身近にありすぎ、その過程自体はあまり気にならない

ということでした。この違いは、それぞれが持っている家族像の差異に

あると講師は言います。事実は同じでも、自分が所属している場所に

よって家族を語る文法が違う、というのは覚えておいた方がよい、

ということでこのセッションは締めくくられました。


今回も「あっ」という間の6時間でした。

次回は3カ月後の5月12日土曜日。場所は品川イーストワンタワーです。

初めての方も、レギュラーの方も、みなさんのお越しをお待ちしています!



【告知】家族の練習問題-木陰の物語- 第4巻“悲しみも、哀しみも”が、

ホンブロックから新発売になります! 書店およびamazonでも

ご購入いただけますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

http://www.honblock.net/books/index.html



※文中に出てくるケースや実例の内容等は、実際の講義と一部変更している場合があります

文責/高岡みなみ

【今回の参加者の所属(職業)】

居宅介護支援事業所5名/児童相談所4名/親業訓練協会1名/幼稚園2名/

包括支援センター1名/自立支援寮1名/生活保護支援1名/助産院1名/

小学校養護教諭1名/出版社1名/青少年相談センター1名/女性センター 1名


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